<   2017年 06月 ( 6 )   > この月の画像一覧
色の錬金術師マルコに習う天然の絵の具作り☆~山合宿~
先週末は2日間山にこもり,念願だった天然の絵の具作りの合宿セミナーに参加して来ました♪
先生はイタリアでも指折りの色の錬金術師マルコくん。
2年前に彼の作る植物由来の水彩絵の具をペンナビッリで買ってから、絶対にいつか彼のセミナーに参加しようと思っていた2年越しの恋..💓
基本三原色の赤,黄,青を中世から使われていた技術で全て植物(アカネ,レセダ,西洋藍)から抽出し,顔料にして水彩絵の具やパステルを作るというイタリアでもとても珍しいセミナー。
f0322790_07513302.jpg
場所はマルケとトスカーナの県境にあるラモリ(Lamoli)という小さな村。ここには天然色の博物館( Museo dei colori naturali di Lamoli )があり、マルコはここの展示にも貢献しました。
f0322790_08143224.jpg
土曜の朝早く全員集合!果てはローマやミラノから,修復士,コスチュームの染色家,子供絵画教室の先生などなど...バラエティーに富んだメンバー。私は染色植物も栽培しているアレちゃんと参加。
f0322790_08300706.jpg
まずは美術館内の説明を受けて色の歴史をマルコが説明してくれます。顔料の歴史は古く,イタリアでは中世まで修道士が宗教画の大切な画材として極秘のレシピで修道院内で作られたのち,教皇や聖職者の注文を受けた画家がそれぞれの工房内で担当の職人が顔料の抽出を担当するようになります。レオナルド•ダ•ヴィンチやバルテユス,ピエロ•デッラ•フランチェスカなどどれも大好きな画家を参考にしながら絵画の歴史の中での色のあり方も説明してくれ,五臓六腑にしみわたる幸せ...。
f0322790_08405511.jpg
植物由来の顔料でこれだけ色々な色が出せると色見本を見せてくれるとみんなから歓声が♪
f0322790_08494084.jpg
1日目はアカネとレセダから色素を抽出!
f0322790_08532962.jpg
これを自然乾燥して,細く挽くと顔料が出来上がります💓
手際よく作業を進めるマルコ。暑さも忘れてみんな夢中で作業&ノート取り(笑)。私は久々の化学名称&専門用語連発に脳みそがパンク寸前ですが、あまりの面白さ&興味深さにイタリア人軍に負けずに質問連発!!!ものすごいエネルギーを使って1日目終了♪
f0322790_08565900.jpg
2日目は朝早くから畑にでて西洋藍を摘む作業から始まります。
f0322790_09051796.jpg
さらに畑の横に保存されている藍の葉を挽くための石臼も興味深く見学!西洋にもクッカーニャと呼ばれていた藍玉というものがあり、ルネッサンス時代にはここモンテフェルトロ一帯が盛んにこの藍玉を輸出していたのだそう。藍はおもに染色に使われ,絵画の顔料としてはそう大量には使用されていなかったようで、かのピエロ•デッラ•フランチェスカの父親もこのクッカーニャの商人だったのですって!

f0322790_09112354.jpg
みんなで摘んだ葉を大きなバケツに入れて作業開始!!色素を抽出,乾燥して....それにしてもこんな気の遠くなるような作業をして昔の人は色というものを得ていたのかと思うと、文房具屋で売っている石油由来の色が本当に霞んで見えてくる。マルコも話してくれたけども、シュタイナー教育でも植物由来の天然の顔料のみで子供に絵を描かせることを薦めているけれど、その理由はダイナミックな色だからだそうだ。植物由来の顔料はPHの調整によって色も変化するし,微量の不純物が複雑で深いトーンを生む。確かにこうして作られた顔料は生命力にあふれている気がするし,安全,安心ということ以外にもいい波長が感じられるのは確か!!
f0322790_09231780.jpg
とっても美しい自然の色から生まれる画材。そんなものを使えると言うのはきっとすごく贅沢だけれど、こうして知識を得れば、不可能な事ではないんですよね。
f0322790_09280131.jpg
そしてこれは彼が丹精込めて抽出した顔料から作られた蜜蝋ベースのパステル。日本製の似たようなものを使ったことがあるけれど、正直言って色の伸びが格段に違う!!スーっと柔らかく紙の上を滑っていくぞ💓
彼曰く、この品質で今販売している値段では割に合わないそうだが、もっと本物の色の魅力を広めるために,多くの子供たちのために敢えて値段を押さえているのだそうだ。ううう,マルコ,最高だよ!!
いつか彼の商品を日本でも紹介するぞ!!!と熱く胸に誓う私...。
f0322790_09543599.jpg
こうして2日間の色の錬金術コースは無事終了!頭の使いすぎとノートの取りすぎで精根つきましたが(笑)色の歴史と魅力の深淵に触れた貴重な時間。微力ながらも美に関わらせていただいている身の上,あまりにも意味深い時間をありがとう,と心から感謝して山を降りたのでした。

それでは、また!!😊




[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-28 07:37 | イタリアのクラフト
スペッロのインフィオラータへ!<その2>☆
昨日に引き続き,スペッロのインフィオラータの様子をレポです♪
f0322790_07234735.jpg
路地裏の魅力に引き込まれながらあの通りもこの通りも..と歩いているうちにどんどん小さな通路に迷い込み...(というか迷い込みたくなるのがイタリアの町の魅力!)
f0322790_07135741.jpg
白い花で統一した上品な通りや...
f0322790_07183453.jpg
こんもりと美しく咲いた紫陽花。綺麗なピンクが多かったです。
f0322790_07264251.jpg
どんな素朴な街角も心憎いくらい私のツボで,人々の日常の暮らしに溶け込んでいる風景が爽やかに染みてくる...どれも小さな幸せのおすそ分け💓
f0322790_07352084.jpg
こんな風にお花は無くても吸い込まれそうなアングルがいっぱい。
f0322790_07384920.jpg
緑一杯の階段。カップルさんが座っていた階段です😊
f0322790_07451556.jpg
焼き物のお店もあり、じっくり手仕事を拝見!綺麗な色使いが見ていても楽しい!
f0322790_07542007.jpg
戻りつつもまた素晴らしい作品を楽しみ...

どれも本当に素敵でした!来年は家族で来ようかな...と思っています🌸🌼
f0322790_07570716.jpg
帰途はゆっくりアッシジの脇の旧道を走りながら、金色に実った麦の揺れる様子を味わって帰りました。

では、また!





[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-23 07:05 | お祭り、行事
スペッロのインフィオラータへ!
2年間行きたいと思っていたスペッロ(Spello)のインフィオラータへやっと行くことができました!
f0322790_07344189.jpg
聖体の祝日に併せて今年は6月の18日に各地で行われたインフィオラータ。聖体をテーマにした絵柄から、装飾的絵柄まで、町中の通りが花びらで描かれていきます。
f0322790_07521703.jpg
前日から徹夜で皆さん作業をしていたのでしょう,目をこすりながら疲れた顔をしている方たちも見かけます。
我が家からスペッロまでは車で約1時間ちょっと。
当日の朝は一人早起きをして,人でごった返す前にゆっくり見ようと車を飛ばしてやってきました。旦那さんとおチビくんはベッドにそ~っと置いたまま•笑。
f0322790_08024817.jpg
私は8時には到着,まだ最後の仕上げ中の作業の様子もチラッと見ることができましたが、10時を過ぎると人でごった返してきます。
f0322790_08065690.jpg
どれも素敵なのですが、大勢の人を避けるため裏道に入ると...
f0322790_08110596.jpg
おお,何と裏道にもめくるめく小さな楽園の世界が!
f0322790_08145409.jpg
どの門を曲がっても,石の風合いと花の醸し出す小さな幸福感一杯のアングルが💞
f0322790_08205472.jpg
この小路の花たちも,一番綺麗にしつらえた家に賞がもらえる,というコンテスト式になっているので、ガーデニング好きの方たちの腕がなるのでしょうね~。

写真が多いので、後半はまた明日にでもアップします♪
ではでは😊


[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-22 07:30 | お祭り、行事
イタリアで美術のお仕事をするということ•苦労編<第二話>
さて、イタリアで美術の世界に飛び込んで,夢のようなお仕事と出会い無我夢中で数年が過ぎます。このラボラトリーでのお仕事は,現代美術というカテゴリーにありながら、仕事の形式はボス曰くルネッサンス様式。と言うのは、その昔ルネッサンスの文化が花開いた時代,芸術家というのはボッテーガと呼ばれる工房を持つマエストロに弟子入りし,大先輩の仕事を間近で見ることで技を会得したり,ある種の画風を持った有名な画家のもとで学んだりと,いわゆるお師匠とお弟子さんの関係のもとに育まれていたものでした。

なるほどセラミックという素材は確かに自分より技術と経験のある人から学んで会得するというプロセスが,成長に不可欠なものの一つで,お仕事をさせて貰いながら色々な技術も伝授してもらえるというのはこの上ない恵まれた環境と言えます。
しかも、伝統工芸から少し距離を置き,現代美術という私にとっては新しい分野で表現を模索するという作業はとても刺激的で、創るということにコンセプトを与える作業を通して、自分の価値観をアプローチする可能性が無限に広がったようで,毎日が新鮮な学びで溢れていました。
f0322790_07590440.jpg
そしてとても有り難かったのは、難しく責任ある仕事にもどんどん挑戦させて貰えたこと。
チームの団結が強くなると共に,自然と彼らの知名度もぐんぐんと伸び始め,初めて参加させてもらったボローニャやミラノの展覧会から、ベニスビエンナーレ,ニューヨークでの個展と年を追うごとに作品を発表する場の幅は広がり,私たちアシスタントもやりがいのある充実した日々を共に過ごすことで、だんだんと家族のような関係が形作られて行きました。
f0322790_08134070.jpg
f0322790_08175703.jpg
...というとなんだか全てが順風満帆のハッピーな日々のようですが、きちんと大変なことも沢山ありました!笑
挙げるときりがありませんが、一番苦労したことの一つ,それはやっぱりアーティストと渡りあっていくこと。
f0322790_09255896.jpg
天才と○○は紙一重....なんて言いますが、彼らも,色々な意味でハチャメチャにクレイジーなところが...103.png
その一つのエピソードはこんな。


大きな展覧会を数週間後に控えて,大量の仕事,寝泊まりしながらの窯焚きなどでスタッフはみんなお疲れ気味。
ボスは思うように仕事が進まずイライラ,いくつもの作品を同時進行で制作していくので、疲労も手伝って何だか考えがまとまらない様。
私はボスのひとり,Pの大型の作品に二ヶ月ほど前から付きっきり。結構難題な作品だったが,粘り強くやったお陰で何とか形になりそうだ~!ホッ。
やっと組み立て段階まで行き,Pと共に1パーツずつ組み立てていくけれど、あれれ今日はすこぶるご機嫌斜めな様子...。そういえばさっきもう一人のボスFとなんか言い合ってたっけ。
さあでも考えている暇は無い,とにかく一つずつ完成させなきゃ!と黙々と作業していると、

P:(こわーい顔をして)この作品,もうやめる!..と言うか、壊す,ぶっ壊す!!(何か壊す道具を物色しに行く。)

私:(心の中で)おいおいおい,どれだけ苦労してこの作品形にしたと思ってんの?!

P:(ハンマーみたいなものを持ってきて)壊す~!!

私:待った待った!ちょっと何言ってるの?!自分だけが関わってきたふうに言わないでよ。私がどれだけの時間かけてやってきたと思ってるの?!

P:そんなの知らん!急にこの作品嫌になった!

私:...これ壊したらどの作品で埋め合わせするの?これを壊すって言うんだったら私の屍を越えて行ってよね。(アシストのブンザイだけれど言わずにはいられん!)ちょっと頭冷やして落ち着いて考えたら?

P:(ちょっと黙って)....分かった、考える。

.....とこんなやりとりが105.png
私も立場をわきまえず言ってしまったので、心臓バクバク,もしかしてクビ?!とかなりビクビクしながらPを見ていると..。

P:とりあえず壊さない。悪かった。止めてくれて助かった。
...と。

私は作品が守れたことも嬉しかったですが、ああ,アシストは,こういう時にもできるだけ冷静な判断をしなきゃいけないんだな~,作るだけじゃなくて精神的なサポートも持ちつ持たれつなんだな、と実感。...というかいくらイタリア人とでもこういうやりとりは普通あまりないよな、寿命は縮んだけれど貴重な体験かもしれない,とできるだけポジティブ思考で解釈することに...106.pngそれにしても急に白髪が...笑

こんな風に一筋縄ではいかないことも多々ありましたが、雨降って地固まる,色々なことを皆で乗り越える術も身に付けて行くことになります。
f0322790_09174401.jpg

なんだかんだ言って家族のように愛しいみんな。
さて次回は何を書きましょうか...。

では、また!







[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-18 07:23
イタリアで美術のお仕事をするということ<第一話>
さて、ここしばらくは,ここイタリアでどんな体験をしてきたか,ということを過去を遡りながらお話してみようかと思います。
2000年に中部イタリアのファエンツァという歴史的な陶芸の街の国立陶芸美術学校の彫刻コースを卒業したのは23歳の時、イタリアにはまだリラがあり,私の考える古き良きイタリアが残っていました。
そしてこの時期,私の人生を変える出来事が起こります。
何と美術学校の卒業制作展を見に来てくれたアーティストが、作品を見てアシスタントの仕事のオファーをしてくださったのです。
オファーと言っても作品を見ただけでは実際使い物になるかどうかはわからないので、とりあえず実験的に数ヶ月働き,アーティストからオーケーが出るようなら正式にアシスタントになれるというものでした。
卒業後、帰国しなければならないのかな、まだまだ色々制作したいな,と漠然と思っていた私は天にも登るほど嬉しい気持ちでしたが、大きなプレッシャーを感じていたのも事実。
というのも私の通った陶芸の美術学校のコースは2年制,外国から来る学生も多かったことから,学習についていける最低限の語学が必要だということはあったにせよ、そこはやはり学生。先生方もイタリア人に混じって勉強する言葉のあまり出来ない外国人の学生には片目をつぶっていてくれていたのです。
ところがこれが仕事となると一変!
お金をいただくのですから,仕事が出来るのは勿論のこと,専門用語や素材の名前,仕事の内容にかんしても正確に理解し,伝えられなければいけません。
2年くらい留学したと言っても,専門分野のボキャブラリーの習得などやっぱりたかが知れています。
かくして私はその次の週から,分厚い小学館の赤と緑の重~い辞書を鞄に詰め,いざ現代美術の分野でセラミックによる彫刻を制作するBertozzi&Casoni というラボラトリーへ通い始めることになりました。
f0322790_07051634.jpg
はじめは簡単な仕事から少しずつ、会話の中で分からない用語があればノートに書き留め帰宅後に調べ,朝は早めに行き道具や顔料のある場所を確認し...。仕事場にはアーティストであるボス2人と若いイタリア人のアシストさん2人,私も含めて5人のチームが出来上がり,ロマーニャ訛りの訳の分からないジョークがかっとぶ中,やっと数ヶ月後には下手な冗談をちょっとは言えるようになりました。
f0322790_07183740.jpg
試用期間も無事に終了,晴れて正式なアシスタントとして本格的に仕事が始まり,仕事の内容も責任もぐっと重たくなる中,初めて大きな展覧会の作品にも携わる機会を貰い,ここイタリアで、イタリア人のみに囲まれてイタリア語のみの会話の生活の中で仕事をしていくという新しい生活が始まりました。
f0322790_07342811.jpg
こうしてその後9年に渡ってこの工房に通うことになります。
数多くのエピソードがこの9年間に生まれましたが、またそれは別の機会にお話しすることにしますね。

それでは、また!

[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-15 06:27 | イタリアでの現代美術のお仕事
2年ぶりの更新,夏が来ました♪
いやいや,余りに久々に自分のブログを覗き,懐かしくなってしまうほど時間が経っておりました!先日美術学生時代に毎日欠かさず書いていた日記を読み返し,日々の徒然っていいものだな~と思い,またゆっくりと書いてみようかな、という気持ちになり...💓
マルケやモンテフェルトロ領を紹介するべく立ち上げたアテンド活動,ラファエロの丘からも発足してからもうすぐ3年,本当に色々なお客様に来て頂き,私もとても成長させて頂きました。(一礼)そんな小さな自分史を残しておくにも,苦手なパソコンやスマートフォンを頑張っていじり,コツコツやってみようかと♪
陶芸の制作の様子ももちろん!

f0322790_07505229.jpg
しばらくは過去の出来事の記録になりそうな気がしますが,折角その気になったので気の向いた方はお付き合いくださいね!
どうぞよろしくお願い致します😊😊😊
f0322790_07582671.jpg
我が家はすっかり外ご飯が嬉しい季節になりました!
それでは、また近日中に~☆

[PR]
by colline_raffaello | 2017-06-13 07:31 | 自分のことなど



陶芸作家の傍らマルケ州の宝石・ウルビーノを中心にマルケ旅行のアテンド活動中!
by colline_raffaello
カテゴリ
全体
マルケの旅に来ませんか
お祭り、行事
ウルビーノの芸術
ごあいさつ
食文化
庭仕事、畑仕事
イタリアのクラフト
自分のことなど
田舎暮らし
マルケの見どころ
マルケの風景
イタリアでの現代美術のお仕事
未分類
以前の記事
2018年 03月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2015年 02月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
お気に入りブログ
ポルトガル便り~ヨーロッ...
メモ帳
最新のトラックバック
ラファエッロとブラマンテ..
from dezire_photo &..
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
イタリアのハーブ博物館でハー..
at 2018-03-04 08:28
ハーブの魔女に会いに行く&#..
at 2017-10-20 06:11
ハーブの魔女に会いに行く&#..
at 2017-10-16 07:44
古代種の果実のお祭り~イタリ..
at 2017-09-29 21:18
アンナのハーブ料理~秘密の洞..
at 2017-09-23 05:19
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧