イタリアで美術のお仕事をするということ<第一話>
さて、ここしばらくは,ここイタリアでどんな体験をしてきたか,ということを過去を遡りながらお話してみようかと思います。
2000年に中部イタリアのファエンツァという歴史的な陶芸の街の国立陶芸美術学校の彫刻コースを卒業したのは23歳の時、イタリアにはまだリラがあり,私の考える古き良きイタリアが残っていました。
そしてこの時期,私の人生を変える出来事が起こります。
何と美術学校の卒業制作展を見に来てくれたアーティストが、作品を見てアシスタントの仕事のオファーをしてくださったのです。
オファーと言っても作品を見ただけでは実際使い物になるかどうかはわからないので、とりあえず実験的に数ヶ月働き,アーティストからオーケーが出るようなら正式にアシスタントになれるというものでした。
卒業後、帰国しなければならないのかな、まだまだ色々制作したいな,と漠然と思っていた私は天にも登るほど嬉しい気持ちでしたが、大きなプレッシャーを感じていたのも事実。
というのも私の通った陶芸の美術学校のコースは2年制,外国から来る学生も多かったことから,学習についていける最低限の語学が必要だということはあったにせよ、そこはやはり学生。先生方もイタリア人に混じって勉強する言葉のあまり出来ない外国人の学生には片目をつぶっていてくれていたのです。
ところがこれが仕事となると一変!
お金をいただくのですから,仕事が出来るのは勿論のこと,専門用語や素材の名前,仕事の内容にかんしても正確に理解し,伝えられなければいけません。
2年くらい留学したと言っても,専門分野のボキャブラリーの習得などやっぱりたかが知れています。
かくして私はその次の週から,分厚い小学館の赤と緑の重~い辞書を鞄に詰め,いざ現代美術の分野でセラミックによる彫刻を制作するBertozzi&Casoni というラボラトリーへ通い始めることになりました。
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はじめは簡単な仕事から少しずつ、会話の中で分からない用語があればノートに書き留め帰宅後に調べ,朝は早めに行き道具や顔料のある場所を確認し...。仕事場にはアーティストであるボス2人と若いイタリア人のアシストさん2人,私も含めて5人のチームが出来上がり,ロマーニャ訛りの訳の分からないジョークがかっとぶ中,やっと数ヶ月後には下手な冗談をちょっとは言えるようになりました。
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試用期間も無事に終了,晴れて正式なアシスタントとして本格的に仕事が始まり,仕事の内容も責任もぐっと重たくなる中,初めて大きな展覧会の作品にも携わる機会を貰い,ここイタリアで、イタリア人のみに囲まれてイタリア語のみの会話の生活の中で仕事をしていくという新しい生活が始まりました。
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こうしてその後9年に渡ってこの工房に通うことになります。
数多くのエピソードがこの9年間に生まれましたが、またそれは別の機会にお話しすることにしますね。

それでは、また!

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by colline_raffaello | 2017-06-15 06:27 | イタリアでの現代美術のお仕事
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